デジタル教材はひとりひとりのレベルに合わせた学習ができたり、音声やアニメーションを使って理解を深めやすくしたりと、デジタルならではの強みを生かしてユーザーの学習をサポートできる便利なツールです。
今回は、そんなデジタル教材の良さをより最大化する、ユーザーの学習意欲を向上させるためのゲーミフィケーション設計の3ステップについて解説します。
学習意欲を向上させるには?
学習意欲が低下する主な原因
学習意欲が低下する原因はいくつか考えられます。
①目標の不明確さ
勉強の目的や目標を見失うと途端にやる気がそがれてしまい、継続ができなくなります。
また、目標設定が曖昧だと学習を継続しても効率が低下してしまうことがあります。
②学習内容に対する興味関心の低さ
学ぶ内容がユーザーの日常生活や知識に結びついていないと、学習意欲の低下を引き起こすことがあります。
モチベーションが湧かないと学びが単なる義務的な作業に感じられることも多く、学習の効果を最大限に引き出すことが難しくなります。
③長時間集中力を保てない
そもそも長時間椅子に座って勉強し続けることが難しい人も一定数存在します。
同じ計算問題を繰り返し解くことに飽きを感じ、次第にやる気を失ってしまうことも…。
学習意欲を高める一般的な方法
上記のような課題を解決する一般的な方法として、次の解決策が挙げられます。
①具体的で分かりやすい目標を設定
目標の設定方法としては次の2つがあります。
- 具体的な数値目標:「次のテストで80点以上を取る」という具体的数値目標があると、現状と目標との乖離を可視化できるため、対策がしやすくなります。
- 目標の細分化:小さな目標に分けることで適度な負荷を感じつつ無理なく取り組めるだけでなく、小さな成功体験を積み重ねることにもつながるため、ユーザーの自信につながります。
②興味を引き出す要素を取り入れる
ユーザーの興味を引き出す効果的な例として、次のようなものがあります。
- ゲームやキャラクターを活用することで、ユーザーの好きなものと学習を重ね合わせることができます。
- 実生活に関連する問題や身近な事例を取り入れることで学びが現実世界とつながり、身近なこととして感じることができます。
③学習時間を細分化して飽きにくくする
長時間集中するのが苦手な人には、ポモドーロ・テクニックを使って短時間で集中する方法が効果的です。
具体的には「25分集中、5分休憩」というサイクルを繰り返すことで、疲れを最小限に抑えながら効率を高められます。
さらに、例えば同じ計算問題でも出題形式や表現方法を少し変えることで、単調な学習作業に変化を加えることができ、飽きることなく学び続けやすくなります。
学習意欲向上にはゲーミフィケーションがおすすめ!
上記のポイントを抑えるためには、ゲーミフィケーションが最も効果的であると考えます。
ゲーミフィケーションには、ユーザーの達成度に応じて報酬やバッジを付与するアチーブメントや、ストーリーに沿って学習を進める方法など様々な手法があります。
しかし、効果的に学習意欲を高めるゲーミフィケーションを取り入れるには、基本的なステップを踏んで計画的に設計することが大切です。
次の章で具体的な3つのステップをご紹介します。
学習意欲を高めるゲーミフィケーション設計の3ステップ
ステップ①:デジタル化の目的を明確にする
まず、デジタル教材の核となる「何をどのように学ばせるのか」を明確にします。
既にお持ちの教材がある場合、その教材の多くはただ問題や解説を収録しているだけでなく、ユーザーに身につけさせたい力や学習方法まで考え尽くされているのではないのでしょうか。
教材をデジタル化するにあたり、どのような意図でその教材を作ったのかを振り返り、教材そのものの特徴とデジタルの良さを活かしながら、どのようにユーザーに利用してもらいたいのかを整理しましょう。
ステップ②:ゲーミフィケーション活用の目的を明確にする
次に、ゲーミフィケーションの目的を明確に設定しましょう。
デジタル教材で学ぶことで、「どのようなユーザーにどうなってほしいのか」というユーザーのあるべき理想の姿をイメージし、それを果たすためのゲーミフィケーションを取り入れましょう。
例えば、集中力を保ちにくいユーザーの特性について分析、あるいは仮説を立てることで最適なアプローチの方向性が見えてきます。この時、ユーザーが集中力を保ちやすくなる方法や要因から深く追求することが重要です。
ステップ③:効果的なゲーミフィケーションを考える
面白い要素を追求するあまり、ゲーム要素をただ組み込むことが目的になってしまうと、学習内容とのミスマッチが生じてしまい、継続的な利用に繋がりにくくなります。
そこで、ステップ①と②で整理した学習内容や方法と、ユーザーへのアプローチ方法を踏まえて適切なゲーム要素を考えます。
例えば、集中力を保ちにくいユーザーに英語を学ばせる場合、単語・文法・リスニング・スピーキングを交互に織り交ぜつつ、1セクションで10~15問だけを解いたらポイントを少しずつ獲得できる、というアチーブメント形式にするのが有効です。
そうすることで、単調な問題演習を長時間続ける必要がなくなり、飽きずに継続できるようになります。
ゲーミフィケーションを取り入れる際の注意点
上記の3ステップを踏むことで、学習意欲向上に効果的なゲーミフィケーションをデジタル教材に上手く取り入れることができます。
ただし、ゲーミフィケーションの取り入れ方次第では、せっかくの「楽しさ」を引き出す効果が薄れてしまう可能性があります。
例えば、可愛らしいキャラクターや楽しそうなデザインで工夫していても、キャラクターが「正しい答えを選んでね」と声をかけると、「あ、これって問題を解いているんだな…」と急に意識してしまい、やる気が下がってしまうことも…。
ゲーミフィケーションを取り入れてみたものの、「楽しさ」を十分に引き出せないというのはもったいないですよね。
ネオスでは、これまでゲーム要素を取り入れて「遊びながらいつの間にか勉強もできている」コンテンツ企画・開発してきました。
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