ユーザーが学びに対して達成感や学習の楽しさを感じやすくなるためのしかけとして、ゲーミフィケーションが活用されています。その1つであるアチーブメントとは、ユーザーのアクションに応じて与えられる報酬のことで、ゲームや学習、仕事などの場面で取り入れられています。
今回は、アチーブメントの役割と具体例、そして教育現場に取り入れやすいアチーブメントの手法3選についてご紹介します!
アチーブメントとは
アチーブメントの役割
アチーブメントには主に次のような役割があります。
- モチベーションの向上
- 習慣化の促進
- 実績の蓄積による成長の実感
- 他ユーザーと共有・比較する要素の追加
学習コンテンツでは、目標達成や学習を継続することでアチーブメントを与えるデジタル教材が増えており、ユーザーにモチベーションを与える重要な要素となっています。
よくあるアチーブメント例
- バッジ・称号
学習の進捗や成果に対して、バッジや称号を与えることで、学習者は達成感を得ることができ、次の目標に向けて意欲がわきます。 - ポイント
一定の成果に対して付与されたポイントを使って、ゲーム内のアイテムを購入したり、リアルな世界で買い物に使ったりすることができます。 - プレイ回数
継続や目標達成の数に応じてプレイ回数が増えることで、何度もプレイできるように繰り返し挑戦する意欲が湧きます。 - アバター育成・カスタマイズ
クリアの数に応じてユーザーのアバターが成長したり、ゲーム内の装飾を変えたりすることができます。 - 現物の景品
実際に販売されている商品やサービスを報酬として提供することで、成果をリアルに感じることができます。
教育現場におけるアチーブメントの課題
教育現場においてアチーブメントを活用する際には、いくつかの課題もあります。
- ポイントや景品に頼りすぎると、本来の学習への興味が低下する可能性がある。
- 目標が難しすぎると挫折し、簡単すぎるとやる気を失う。
- 他ユーザーと競争する場合、勝ち負けにこだわりすぎたり、順位が低い生徒がやる気をなくしたりする可能性がある。
したがって、学びそのものの楽しさや達成感が重要であり、報酬に過度に依存しないようにすることが必要です。
アチーブメント設計方法3選
上記に挙げた課題を解決し、ユーザーの意欲を引き出しながら学習効果も高めるアチーブメント設計のしかたを3つご紹介します。
スキルの取得そのものをアチーブメントにする
「ログインした」「問題に挑戦した」という行為そのものにアチーブメントを与えるだけだと、学習効果に繋がりにくいです。「自分で問題を解決できた!」という成功体験にフォーカスし、学習そのものの楽しさを強調することで、主体的に学習へ向き合う姿勢を促すことに繋がります。
例えば数学の場合、二次方程式の「解の公式」を使って10問正解すると、「解の公式バッジ」を獲得できるというものです。
個別最適化したアチーブメントにする
クラス全員が同じ条件のアチーブメントにすると、達成できる生徒とそうでない生徒との間で差が生まれやすくなります。
一人一人のレベルや学習ペースに応じたアチーブメントをカスタマイズできるようにすることで、ユーザーは達成感を得やすくなります。
協力型のアチーブメントにする
個人の成果に加え、チームとしての成果を重視する仕組みです。ユーザーがグループで協力して目標を達成することで、他のユーザーと楽しみながら高め合うことができるため、高い学習効果が期待できます。
例えば、クラスで対抗するかたちにし、全員で正答数を積み上げながら木を大きく育ててていくという見せ方にすることで、「みんなで協力して他のクラスに勝つ!」という意識を作り出し、1人1人の学習へのモチベーションを高めることができます。
教育コンテンツでアチーブメントを取り入れるのは今や必須になっていますが、アチーブメントの内容や仕組みについて考えるのは難しいですよね。教育現場でも活用しやすく、学習効果につなげられるものとなると、「何を与えるか」だけでなく「どうやって与えるか」も重視していく必要があります。
ネオスでは、上記のアイデア以外にも、これまで様々なアチーブメントを取り入れたコンテンツを企画開発してまいりました。
教育現場で取り入れやすいアチーブメントについてお悩みでしたら、ネオスにご相談ください!
ターゲットや学習内容にあったアチーブメントをご提案します。
アチーブメント以外のゲーミフィケーションの施策については以下の記事をご覧ください。