近年、多くの企業が従業員の満足度向上に注力しています。これは、社員のエンゲージメントが低いと、人材育成や経営に次のような影響を及ぼすためです。
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- 生産性の低下:一部の社員 が業務に対する意欲が低いと、全体の生産性が下がることに繋がり、チームやプロジェクトの進行にも悪影響を及ぼす可能性があります。
- 離職率の上昇:早期離職が頻発すると、 採用や教育にかけたコストの無駄につながるだけでなく、会社のイメージ低下にもつながります。
特に、新入社員の早期離職の防止に重点的に取り組まれている企業も多いのではないでしょうか。
今回は、ゲーミフィケーションの考え方を活用して、新入社員のエンゲージメントを向上させるデジタルコンテンツを使ったアプローチ方法についてご紹介します。
エンゲージメントが低い理由
「仕事に対してやる気が出ない」「仕事にのめり込めない」と感じる社員がいたり、会社や部署全体の離職率が高かったりする場合、それはエンゲージメントの低下が要因の一つにあるかもしれません。
では、どのような場合にエンゲージメントが低くなってしまうのでしょうか?
業務内容への理解不足
新入社員に早く即戦力になってもらうための方法の1つにOJT(On the Job Training)があります。これは、上司や先輩が実務を通して知識やスキルを身につけさせる教育方針であり、多くの企業で取り入れられている手法です。
しかし、教育の文化が組織 全体に根付いていない状態だと、指導の質や方法にばらつきが生じることがあります。また人事部が新入社員の進捗や状態を把握しづらく、適切な支援ができなくなる可能性もあります。
コミュニケーション不足
上司や先輩、同僚などと上手くコミュニケーションが取れないと、トラブルや悩みがあっても気軽に相談できずストレスをため込んでしまうことに繋がります。
1on1ミーティングなどを定期的に設定することで、コミュニケーション不足を解消する取り組みも近年見られますが、本質的な課題解決に至っていないケースも中にはあるのではないでしょうか。
仕事に面白さを感じない
新入社員の頃は誰でもやりやすい単純作業が多く、つまらないと感じてしまいがちです。それらの業務は基礎を身につけるために重要であるものの、達成感がないとモチベーションが維持しづらいですよね。
それでも会社に対して愛着があれば、なんとかモチベーション向上に努めようとする新入社員もいるかもしれませんが、会社や業務内容に対する思い入れが無かったり熱意が低いままだったりすると、退職の意思を抱いてしまうことも…。
ゲーミフィケーション活用によるエンゲージメント向上の方法
やる気がない状態だと、新入社員にとっても新しい業務やスキル習得にチャレンジする機会を逃すことにつながり、長期的なキャリア形成に悪影響を与えることもあります。
これらの悪影響を防ぐためには、新入社員が早期に企業文化や業務内容を十分に理解し、より一層の熱意をもって仕事に取り組んでもらうための施策が重要です。
没入感のある研修内容にする
指導者による教育内容や質のばらつきを抑えつつ、新入社員にとっても負担がなく気軽に業務を実践する方法として、チュートリアルがあります。
チュートリアルとは、ゲームのオープニング説明のみを指す言葉ではなく、「初心者向けのガイド」全般を指します。そのため、「実践する方法として、ゲームのチュートリアル風に仕立てるというのが効果的です。
例えば、研修で企業理念について講師が説明するよりも、企業がこれまで直面した課題を乗り越えてきた経緯について、新入社員が社長になったつもりでストーリー仕立てで追体験する形の方が、より没入感が生まれます。
ただストーリー仕立てにするのではなく、UIもゲームのような選択式にするとより楽しさが生まれ、よりよい会社と業務の理解につながります。
ルーレット形式で会話のテーマを選ぶ
1on1ミーティングを定期的に実施しても、会話の幅が広がらなくなることもあると思います。そこで、ゲーミフィケーションの要素の1つであるランダム性を取り入れてみましょう。
ルーレットで会話のテーマが選定されると、新たな視点から部下の状況について気づきを得ることができ、部下にとっても様々な話題についてのトーク力が身につきます。
このように日々のコミュニケーション方法を少しでも工夫することで、上司と部下双方にとって関係構築がしやすくなり、1on1ミーティングが有意義な時間となることが期待できます。
モチベーションアップのためのインセンティブ制度
新入社員が即戦力として活躍できるようになるには、やはり初期段階での達成感と動機付けが重要です。ゲームでは、初心者フェーズだと報酬獲得や次のレベルまでのステップが短く、容易に進められるような仕組みを採用しているケースが多いです。
会社で活用する場合の具体例としては、研修の受講後に提出したレポートの出来が良ければ、オフィス内のお菓子やドリンクが貰える、と言った方法があります。
最初に達成感を覚えると、その後の業務への挑戦意欲につながり、エンゲージメント向上につながります。
新入社員のエンゲージメント向上において重要なのは、企業理念や業務内容を早期に理解し、日々の業務を楽しみながら積極的に取り組むことです。
これを実現するためにゲーミフィケーションの手法を取り入れることで、仕事への興味を引き出し、組織への帰属意識を高めることができます。
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